人気ブログランキング | 話題のタグを見る

お引き渡しからの総括

本日無事、「ひとつ屋根の家」がお引き渡しとなりました。
住まい手さんには長らくお待たせをいたしましたが、その時間の経過を無駄にすることなく、ご満足頂けたようで安堵です。
「これからもよろしくお願いいたします!!」という住まい手からのお言葉を頂き、各々の建築に対する価値観が“共通認識”としてきちんと存在しているのだと、確認できた瞬間でもありました。

基本的にはお任せであったものの、内に秘めた確固たる“住まい像”みたいなものが滲み出ている住まい手さんでありましたから、まずはその汲み取り作業から。
これから作り上げる住まいへの想いから始まり、夫婦の距離感と優位性(笑)、子供との接し方、地域との接し方、土地に対する愛情、趣味指向などなど、おおよそ建築とは離れた箇所からのアプローチが実はとても重要なのです。
うちがテーマとして掲げている「人を知ることから始まる住宅建築」がまさにそれ。
不特定多数が利用する公共建築物ではなく、特定の人が住まう建築なのですから、正直、デザインは二の次。
と言い切れるのも、そもそもが弊社に依頼してくる時点で、その指向性は確定しているも同然なわけで、そもそもそこに関しての意見に対して僕は耳を貸さないであろう(笑)
まずは人を知り、どこからどこまでが建築の挑戦領域として試されるのか、許されるのかを吟味し、提案をし、承諾を得る。
その経過を経て、極力開口を排除し、壁を連続させるという、思い切った提案をすんなり受け入れて頂いたのだと思います。
もちろん建築にはそれだけでなく、とても多くの、様々な意味合いが含まれるものであり、その裏付けあっての事ではありますが、長くなるので割愛...。

では、竣工直後の様子。
GW明けに再度、住まいの様子を撮影する予定です。
その頃には植栽も豊かに葉を茂らせていることでしょう。
お引き渡しからの総括_d0122640_2236755.jpg

刺激の強すぎない、柔らかな光を降り注いでくれる天窓。
しかしうちでは、影を生み出すためであって、あくまで光は脇役。 
お引き渡しからの総括_d0122640_2236335.jpg

キッチンからリビングへ。
キッチンを一段下げることにより、目線が同一線上に揃い、什器としての存在感は家具へと近づく。
お引き渡しからの総括_d0122640_2236495.jpg

さてこのキッチン、住まい手さんはどう使いこなすのか、次回の訪問が楽しみである(笑)
お引き渡しからの総括_d0122640_22355931.jpg

お引き渡しからの総括_d0122640_22355847.jpg

お引き渡しからの総括_d0122640_22355650.jpg

外観。
映り込んだ86は確信犯!!
確実な存在感は放つものの、昔からそこにあったような、馴染みのあるプロポーションに整えられたと思う。
お引き渡しからの総括_d0122640_23102622.jpg

天窓からはしだれ桜の先端が覗ける。
住まい手の成長と、住まいと作庭の熟成がとても楽しみ。
それはまさしく家+庭=家庭なのである。
お引き渡しからの総括_d0122640_23102999.jpg

なんとなくお気に入りの一枚。
作為的な光源はなしだからこそ、幻想的な雰囲気を醸し出してくれるのかも知れない。



さて、いかがだったでしょうか。
どの住まいがベストとはもちろん言い難く、それぞれの特徴を持った、すべてお気に入りの住まいばかりですが、毎度気付きのある仕事をさせて頂いていることに感謝です。
今作もまた、次回の設計にフィードバックされていくことでしょう。

この度は竣工、誠におめでとうございます。
そしてまた、ありがとうございました。
今後ともよろしくお願いいたします!!



飯田亮建築設計室のHP
CoMoDo建築工房のHP 
※WORKS更新しました!!

住所-栃木県河内郡上三川町上蒲生2351-7 
                  citta di garage B1
電話-0285-39-6781

お問い合わせ → info@iida-arc.net
by lives-web | 2016-03-30 23:25 | ひとつ屋根の家
<< BonMarche100人展 間近で竣工 >>